心の健康 #4 「鬱」のきっかけとなる事象

2022年11月16日

こんばんは、キュウちゃまです。

今日は「鬱」のきっかけになりやすいイベント等の事象を説明します。大きく分けて私的なイベントと家庭外イベント(学校、職場)があります。本ブログでは家庭外イベント≒会社イベントに置き換えて紹介します。

私的なイベント:結婚、離婚、引っ越し、出産、死別

会社イベント:人間関係のトラブル、配置転換(部署異動・チーム変更)、仕事の失敗

やはり、精神的な喪失感強いプレッシャーを感じる機会が増えると「鬱」になりやすいと思われます。なお、一度のイベントで急激に落ち込む方もいますが、長年積み重なったストレスにより、症状を示す方が多い印象です。

さて、「私的イベント」は想像に難くないので、「業務イベント」につて具体的なの例を示します。

優秀な総合職Aさんの事例

入社後経験の浅い総合職Aさんが、入社5年以上の先輩Bさん(総合職よりも給料が少なく、責任の範囲も狭い「嘱託」とう資格)から「総合職なのにそんなことも知らないの」と言われたことがきっかけで、先輩Bさんに対する苦手意識を持つようになりました。先輩Bさんは総合職Aさんのことを日頃から優秀と思っており特に悪気があったわけではないようですが、総合職Aさんにとってはかなりのプレッシャーになりました。そのプレッシャーの中では、先輩Bさんから業務を教えてもらったり、一緒に作業をしたりするのは苦痛であり、徐々に積極性がなくなり先輩Bさんの参加している会議では自分の意見を発することがなくなりました。その後、会社全体をよくするための改善活動に際して、意見を出し合ったとき、先輩Bさんより「仕事していない総合職が高い給料をもらっている」といった発言がありました。この発言を自分のことだと勘違いした総合職Aさんは「鬱」を発症し、休職してしまいました。

上記事例は総合職Aさんの勘違いではあるものの、先輩からの一言がストレスになっており、そんな中で「仕事をしていない総合職が高い給料をもらっている」という先輩Bさんの発言がとどめとなりました。
総合職Aさんと先輩Bさんが普段からコミュニケーションをとっていればこのような事態にはならかったと思いますし、普段からの先輩Bさんの「総合職の給料に対する不満」「仕事ができない人の陰口」といった言動を先輩Bさん自身又は管理職がうまくコントロールできていれば未然に防げた事例です。
管理職は先輩Bさんのような方との面談では、少し突っ込んだ指導やコメントが求められますので、別の機会に「評定面談」というキーワードで人事評定にかかる面談のポイントを紹介しようと思います。

異動先の業務環境になじめなかったCさんの事例

入社3年目のCさんは、法律の読み方をよく理解し、文章作成能力も高い人材でした。基礎学力も十分であることから、所属している間接的なサポートを行うX部署よりも現場作業を直接支援する別のZ部署(体を動かす部署ではなく、資料等の内容と作業実態に相違がないか等を確認する部署)へ異動しました。Cさんは文系出身で、理系が多いZ部署の業務や業務のスピード感に順応するのが難しく、異動1か月後に突然休職してしまいました。

仕事場において「理系」と「文系」というキーワードは比較的多く出てきます。特に「文系」の方に多いのですが、「文系の私には○○」という理由をつけて自分を正当化する傾向があります(あくまで、キュウちゃまの会社の場合です😅)。上記事例では、文系出身のCさんが、理系分野の技術用語が飛び交い、かつ現場からの問合せに対してすぐさま回答・指示しなければならない殺伐とした環境に順応できなかったように見える事例ですが、実際にはCさんは上手く対応できていたのです。何年もZ部署の業務を担当している方と自分の能力を比べてしまうとともに、今まで中・高・大とトップレベルで生活してきた環境を忘れることができず、Z部署でうまく処理できていない状況が許せなかったということが原因でした。
入社前のスキルをそのまま生かせる企業は多くありません。入社後バリバリ活躍してやる!という考えも尊重しますが、「ゼロベースで頑張っていこう」「若いうちに先輩にいろいろ質問し、先輩の業務スキルを盗んでいこう」というようにもう少し楽に考えることが大事ですね。

プライドが極度に高かったDさんの事例

入社5年目のDさんは、有名大学の出身でかなり勉強ができる人材です。所属部署は商品開発部門であり、商品開発を進めるには十分なスキルを持っていました。ただ、プライドが高く、「わかりません」が言えず、周りからの評価見られ方をかなり気にするという部分がありました。Dさんの座席の周りには、仕事ができ、会社の主力商品を開発した先輩2名が座っており、Dさんとは同じチームではありませんが、たまに作業支援をお願いすることがありました。主力製品の売り上げが大きいことは全社的にも評価されており、有能な先輩達と一緒に作業できることがDさんのステータスになっていたようです。Dさんは自身の商品開発に身が入らず、先輩の仕事を手伝うことを切望するようになったため、先輩から「自身の開発業務に集中するよう」に注意を受け、支援する機会が激減しました。また、その時期たまたま開発部署の人員構成が変化し席替えをする必要があり、先輩2名とは別の机に配置されました。席替えには大反対のDさんの希望は通らず、数週間後に休職することになりました。

上記事例では、周りからの見られ方を気にするプライドの高いDさんが、自分の業務の成果が出ていないことを隠すために優秀な先輩の業務を手伝うとともに同じチームで働いているように行動したものです。先輩2名からの注意は当たり前のことであり、管理職がもう少し目を光らせ、Dさんの業務が順調でなければサポートする体制を築いてあげる等の対応が必要でした。また、Dさんが納得するような面談を実施しておけば「休職」は回避できたと思われます。もちろん、Dさんの「周りからの見られ方」を重視するという考え方を是正することも重要でしたね。
「見られ方」を重視する人に対する面談についても「評定面談」をキーワードとして今後のブログで面談のポイントを紹介していきますね。

心の健康,

Posted by ryuka20081007